絶望的将来が見えた

話は戻るが、美容師になって一年目の、
南青山の美容室で働いていたある日。

スタッフの休憩室であるものを発見した。

それは店長の給料明細。
きっとカバンにしまうのを忘れてたのだろう。
テーブルに開いた状態で置いたままだった。

その店長は40歳代で、技術力もかなりトップレベル。
日本全国を飛び回って、美容師に対してセミナーを行なうほどの実力者。

その店長の給料。

それがたったの20数万円。

365日中、360日は仕事をしているような人だった。

そのお陰で自分の子供からは全く懐かれていない。
数ヶ月に一度、小学生の娘が髪を切りにくるが、親子の会話は一切なし。
それだけ家に居なければ当然かもしれない。

そしてこの現実は “このまま” 自分がこの人生を歩んで、
うまくいったとしても、この店長と同じライフスタイルになるということ。

仕事のできない、ダメ社員の僕はもしかするとそれ以下かもしれない。

365日中360日働いて、

家族に馴染めず、

たったの20万そこらの給料。

おれが憧れていた人生はこんな人生だったのか?

いや、おれがこれから生きていく生き方はこんなんじゃない。

だけど、どうすれば、、、

仕事ができず、ダメ社員の烙印を押されている。
そして絶望的将来を垣間見るというダブルパンチ。

「このままじゃダメだ」

手段はわからないが、どうにかしないと。
あの記憶は今でも鮮明に覚えている。

その頃から、美容師としての向上と、美容以外の生き方の模索。
心の中でのダブルワークが始まった。

夢を追いかけるというより、
迫り来る悲観的現実から逃げるのがモチベーションだった。

 

00『目次〜元美容師が自由を手にした物語り〜』

01『世界中が職場で世界中が遊び場になった』

02『理想と現実のあいだ』

・03『絶望的将来が見えた』 ←今ココ

04『社会の底辺』

05『大人になるとは、夢を諦めること』

06『Just Do It !!』

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