元美容師が自由を手にした物語り

「東京へ送り出してくれた、田舎のお母さんが悲しむわね」

その日、僕は美容室の退職の挨拶に、本社へ来ていた。

その時に副社長から言われた。

あまりにも我が強く、その割には仕事が出来なくて、ダメ社員だった僕が23歳の時に美容師を辞めた。

オシャレが好きで、華やかな世界に憧れて入った業界だった。

しかし組織に上手く迎合出来なかった。

仕事もできず、自分の力の無さに挫折したのだ。

そして最後に、皮肉たっぷりの「贈る言葉」をいただいたのだった。

 

その日から、僕はただの「フリーター」になった。

それもやはり社会にうまく馴染めず仕事を転々とした。

 

光回線の営業電話、

金、プラチナの訪問買い取り、

日払いの引っ越し、倉庫での仕分け、

某携帯ショップのコールセンター

 

フリーターだけど、自由な生き方に憧れた。

そこだけはどんなに現状が悲惨でも譲れなかった。

 

旅行だって行ってみたいところは沢山ある。

新しい経験ももっとしてみたい。

もっと思い切り仲間と遊びたかった。

もっと好きなだけ寝たいし、

明日の心配をせず、もっと楽しく遊びたかった。

 

夢と言えるほどのものか分からないが、希望は一人前に持っていた。

 

「おれの人生なんとかしなきゃ」と気持ちばかり焦るが、現実は何一つ変わらない。

それどころか、仕事が安定しないので、家賃を数ヶ月も滞納。

自分の無力さに心底情けなくなった。

 

「本気でやればなんとかなる」という、根拠のない自信も、

数々の思い通りに行かない現実に、ポッキリ心が折れる寸前だった。

 

そして夜にネットをしていたあるとき、インターネットで収入を作り出せる。

という情報を見つける。

でも、こんな今の自分が何を出来るって言うんだ。

半信半疑。

でも夢は諦めたくない。

やってみないと分からない。

 

そんな思いで飛び込んだビジネスの世界。

2,3ヶ月後には数万円稼げていた。

「おれの人生変わるかも」と思った、わずかな希望の光だった。

それから数年。

 

気づいたら、僕は世界中を旅していた。

一年で15カ国以上。

そう。

まさかの、人生大逆転劇。

まさに9回の裏、2アウト2ストライクの危機的状況からの逆転。

あぁ人生ってなんてドラマティックなんだろう。

そんな物語り。

 

・00『目次〜元美容師が自由を手にした物語り〜』 ←今ココ

01『世界中が職場で世界中が遊び場になった』

02『理想と現実のあいだ』

03『絶望的将来が見えた』

04『社会の底辺』

05『大人になるとは、夢を諦めること』

06『Just Do It !!』

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